小さなTS

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第一章『フォーク』

ゲイバーという男は、小さな大将と仲が悪かった。言うまでもないが。この物語は、そんな2人が池袋の監視カメラ前で偶然会うところから始まる…

ゲイ「久しぶり…だな」
大将「何年ぶりかな…高校卒業して以来だから、3年、かな」
………………………
沈黙が続く。
ここで大将くんが口を開いた。
大将「フォーク、隠したの、お前なんだろ、俺知ってるぜ」
ゲイ「!!!」
大将「あんな大昔のことまだ覚えてたのかって言われるかもしれないけど…あっ、ゲイバーは覚えてる?」
突拍子もないこと言われ、言葉に詰まった。
確かに高校一年の頃、フォークを隠したのは俺だ。大将くんのフォークを隠し、成績を下げた。あの時は軽い気持ちだったんだ、なのに…

『お前の顔見てるとイライラするから』

!!!

そうか…
大将くんはあの時既に”気付いて”いたんだ。
俺がフォークを隠したってこと…
大将「覚えてるみたいだな…なあ、聞かせてくれよ、フォークを隠した理由。」
わからない、何故、フォークを隠したのか、いくら考えても、答えは出てこない。憎かったから?羨ましかったから?違う。じゃあ…
ゲイ「多分、構って欲しかったんだと思う」
ゲイバーは無意識の内に口を開き、こう言ったのだ。予想外の返答に驚きを隠せない大将くん。
………………………
また沈黙が続く。ゲイバーは後悔した。どうしてこんな事を言ってしまったのだろうか、せっかく、久しぶりに会えたのに。なのに、なんで…!
大将「なんだ、そんな事だったのかよ」
ゲイ「えっ、いや…」
大将「ほんっと、昔からそういうとこ変わんねえな、お前は笑」
ゲイ「フィオラがハイドラ持つとさ~他のキャラより強いんだよ~なんでかほんと、フィオラがハイドラ積むとさ~他のチャンプより強くて、ほんとフィオラがハイドラ持ってフィオ、ハイドラが持ってフィオラが強くてさ、フィオラがハイドラ、フィオラフィフィフィフィ・・・・フィオッ!!!!!!!!!!!!!!!!!1」
五年の月日を経て、2人は本当の気持ちで語り合った。その日の夕陽は、薄汚れた都会の空気に塗れているのに、少しだけ綺麗に見えた。

第二章『大きなTS』

あれから俺たち二人はよく遊ぶようになった。家でゲーム、カラオケ、遊園地…夜はもちろんskypeで個通。今日あった出来事、恋の悩み…夜な夜な話し合った。俺とあいつは二人で一つ、かけがえのない『親友』だった。そう、親友『だった』んだ…

俺と大将くんが仲直りをしてから3ヶ月が経ったある日
俺は大将くんと近所の公園で遊ぶ約束をしていた。待ち合わせ場所はもちろん、その公園だ。しかし大将くんはいつになっても待ち合わせ場所に来ない。それどころか、LINEすら繋がらない。
スマホぶっ壊れたのかな?
このままだと埒が明かないので、ゲイバーは大将くんの家まで迎えに行くことにした。
「いきなり俺が家に来たらあいつ、びっくりするだろうな」
胸を踊らせながら歩を進める。そして大将くんの家の前まで来たゲイバー。しかし玄関で何やら声がするーーー…
「病院の先生も言ってただろうが!だから家で安静に…」
あれは多分大将くんのお父さんの声だろう、あいつ、何かケンカでもしてるのかな?ホンットに、昔から変わんねえ…
「うるせえ!もうどうでもいいんだよ!お前の顔見てたらッ!!!イライラしてくんだよ!!!!!!」
「!!!、!!!」
ゲイバーは驚愕した。そこで父と口論していたのは…
女!!!!!整った顔立ち、滲み出る妖艶さ、あいつ、俺には言ってなかったけれど、あんなに可愛い妹がいたのか、ふっふざけんなよ笑
「こんな家、出て行ってやるよ!!!くそッ!!!!!!」
バッ
走り出すその女と、目が合った。
その時、ゲイバーの身体に電撃が走った!ビリビリビリビリ
彼女はとても驚いていたが、何も言わずまた走り出した!
「待てよ!!!!!!!!!」
ピタッ
ゲイバーの呼び止めで、女の動きがまた止まる。
「お前、…大将くん、なんだろ」
「……………………………………」
「俺、お前と目が合った時、わかったよ。…最初は妹が何かだと思ってた。でも、お前の目を見てわかった。…何があったか、話してくれよ」
「ッ!!……………………………げ、ゲイバーッ!!!!!」
ガバッ!
二人は抱き合った。公衆の面前で。
大将くんは全てを話してくれた。目が覚めたら女になっていたこと、ホルモンバランスが崩れてイライラしてしまうこと、オッパイがどんどん大きくなっていくこと…
「そんな事があったのか…今でも少し信じられないけど、お前、本当に女になっちまったんだな」
「そうだよ…俺もまだ、信じられないよ。でも、女になっちまったんだ。はは、気持ち悪いよな!ごめん…今まで仲良くしてくれたのに、こんな形で終わるなんてな、ありがとう、だからこれからはもう…」
「そんな事言うなよ!!!!!!」
「!」
急に声を荒げたゲイバーに、驚きを隠せない大将くん。
「終わりなんて言うなよ、俺たち友達だろ!?…親友だろっ……!!!男とか女とか、そんなの関係ないよ、お前は俺の親友だ。これまでも、これからも、ずっと…!!!」
「げ、ゲイバー……!」
お互いの気持ちをぶつけ合った二人は、待ち合わせ場所であった公園に向かって歩き始めた。例え性別が変わってしまっても、二人は親友だ。道端の雑草が花を咲かせようが、近所に新しいマンションができようが、大将くんが女になろうが、俺はいつも通り生きていく。
…生きていく、はずなのに…!!!
ゲイバーのチンチンは、パンパンに膨れ上がっていた!!!!!!!!

第三章『ダメージ交換』

あれからまた三ヶ月が経った。
大将くんは、女として生きていくことを決めた。当然、親や友達からの反対もあった。でももう大将くんにチンチンは付いていない。そのことを話すと、皆、しぶしぶ理解してくれた。迷いや苦悶の経験を経て、新しくアイデンティティを確立することができたのだ。
彼はー…いや彼女は、大将ちゃんになってしまったのだ。
一方その頃ゲイバーはというと……

イクイクイク、やっべ、フィッ!!

この日18回目の射精ーーー
そう、ゲイバーは大将くんが女になってからというもの、毎日オナニーにふけっていた。大学も休みがちになっている。毎日毎日大将くんのことを思いながら、ある時は写真を見ながら……
この3ヶ月でゲイバーは4回、スマホを壊している。何故か?勘のいい人ならお分かりだろう。そう、ゲイバーはスマホに『ぶっかけ』過ぎたのだ。勿論、スマホの写真フォルダには数え切れないほどの大将くんの写真がー…
一通り抜き終わったゲイバー、何時ものように襲い来る罪悪感…
「駄目だ、ダメージ交換できてねえ」
その後、珍しく早く寝床についたゲイバー。彼は明日、大将くんと会う約束をしていたのだ。
「明日はもっといい日になるといいね、大将。」
ゲイバーは頭の中に住む、『脳内大将くん』におやすみの挨拶をし、深い眠りについた。